『越境捜査』 笹本稜平原作 その8
『越境捜査』 笹本稜平原作 その8
宮野の料理をこまめにやるシーンが あちらこちらに。
内臓へのダメージはだいぶ回復して、
腹の虫は元気に鳴きだしているが、
腹筋の痛みは相変わらずだ。
昨夜の危難を酌すれば 今日は丸一日休養日にしても
天罰はくだらないはずだ。
へっぺり腰でキッチンのテーブルに向かい、
宮野のつくり置きの朝食のお相伴に預かることにする。
この日の朝食は、趣向を変えて和食のメニューで、
だし巻き卵に塩鮭に、海苔に納豆に香の物。
ご飯はちょうど二膳分ほどを炊飯器に残し、
味噌汁は軽く暖めればいいゆに 手鍋にいれて
ガスコンロの上に置いてある。
居候なりの気遣いなのか、
みかけによらず こういうことが趣味なのか、
宮野は相変わらず 甲斐甲斐しい。
宮野が先に読み終えて、
またきちんと畳んである 今日の朝刊を手にとった。
ーー☆
妻が去ったあとのこの部屋は、
鷺沼にとって 冷ややかだが居心地のいい空虚だった。
いまその空虚を奇妙な居候が埋めている。
最初は迷惑で 鬱陶しかったその闖入者と、
いま 命を賭けることになるかもしれない戦いに
自分は向かっている。
予想もしなかった人生の成り行きに
改めて当惑しながら ドアを開けた。
宮野はキッチンで なにやら料理の最中だった。
「鷺沼さん、出かけてたの。
腹を空かして寝込んでいるかと思って、
気を利かせて早く帰ってやったのに」
「いい匂いだな。なにをつくってるんだ?」
「ブイヤベースだよ。
あんまり寒いんで体が温まるものをと思ってさ。
もうじき下ごしらえが終わるから、あとは一気に煮込むだけ。
中華街でシュウマイと春巻きも買ってきたよ。
そっちはレンジで温めるだけだから、
ビールでも飲りながら待っててよ」
ブイヤベースとシュウマイと春巻きの組み合わせが理解できないが、
腹の虫はすでに勝手に鳴き出している。
なにより宮野が先に戻って、部屋を温めてくれていたのがありがたかった。
ーー☆
「人間、破滅に向かうときは 雪崩を打つように転落するものなのよ。
あれよあれよという間に 全部が悪いほうに転がり出すんだね。
そうなると、落ちるところまで落ちきるまでは
復活の眼はでてこないわけよ」
自分の半生を語るように 宮野は田浦の行く末を論評する。
借金王の語る言葉には 妙な説得力がある。
「その田浦の虎の子を掠め取るというのは
転落人生の先輩として 寝覚めが悪くないか」
「だからさ。おれたちは最後の未練を断ち切ってやるわけで、
むしろ仏心というべきじゃない。
そこで田浦は人生の真理に目覚めるわけだから」
そういう本人が 今、
どんな人生の真理に目覚めているのかはしらないが、
宮野はてんから悪びれるところがない。
ーー☆
「あんなの持っててまずいじゃないですか。
それから、誰ですか、その人?」
井上は初対面の宮野を見て 慌てふためいた。
髪は金髪で耳にピアスを着けて
マカロフを所持する友人がいるとは
井上にはまだ教えていなかった。
ーー☆
物語の本筋・・サスペンスの醍醐味は
是非、本をお読みくださいな〜。
宮野刑事の人物像が覗かれているところだけ
抜粋してあります。
想像をたくましくしてください。
宮野の料理をこまめにやるシーンが あちらこちらに。
内臓へのダメージはだいぶ回復して、
腹の虫は元気に鳴きだしているが、
腹筋の痛みは相変わらずだ。
昨夜の危難を酌すれば 今日は丸一日休養日にしても
天罰はくだらないはずだ。
へっぺり腰でキッチンのテーブルに向かい、
宮野のつくり置きの朝食のお相伴に預かることにする。
この日の朝食は、趣向を変えて和食のメニューで、
だし巻き卵に塩鮭に、海苔に納豆に香の物。
ご飯はちょうど二膳分ほどを炊飯器に残し、
味噌汁は軽く暖めればいいゆに 手鍋にいれて
ガスコンロの上に置いてある。
居候なりの気遣いなのか、
みかけによらず こういうことが趣味なのか、
宮野は相変わらず 甲斐甲斐しい。
宮野が先に読み終えて、
またきちんと畳んである 今日の朝刊を手にとった。
ーー☆
妻が去ったあとのこの部屋は、
鷺沼にとって 冷ややかだが居心地のいい空虚だった。
いまその空虚を奇妙な居候が埋めている。
最初は迷惑で 鬱陶しかったその闖入者と、
いま 命を賭けることになるかもしれない戦いに
自分は向かっている。
予想もしなかった人生の成り行きに
改めて当惑しながら ドアを開けた。
宮野はキッチンで なにやら料理の最中だった。
「鷺沼さん、出かけてたの。
腹を空かして寝込んでいるかと思って、
気を利かせて早く帰ってやったのに」
「いい匂いだな。なにをつくってるんだ?」
「ブイヤベースだよ。
あんまり寒いんで体が温まるものをと思ってさ。
もうじき下ごしらえが終わるから、あとは一気に煮込むだけ。
中華街でシュウマイと春巻きも買ってきたよ。
そっちはレンジで温めるだけだから、
ビールでも飲りながら待っててよ」
ブイヤベースとシュウマイと春巻きの組み合わせが理解できないが、
腹の虫はすでに勝手に鳴き出している。
なにより宮野が先に戻って、部屋を温めてくれていたのがありがたかった。
ーー☆
「人間、破滅に向かうときは 雪崩を打つように転落するものなのよ。
あれよあれよという間に 全部が悪いほうに転がり出すんだね。
そうなると、落ちるところまで落ちきるまでは
復活の眼はでてこないわけよ」
自分の半生を語るように 宮野は田浦の行く末を論評する。
借金王の語る言葉には 妙な説得力がある。
「その田浦の虎の子を掠め取るというのは
転落人生の先輩として 寝覚めが悪くないか」
「だからさ。おれたちは最後の未練を断ち切ってやるわけで、
むしろ仏心というべきじゃない。
そこで田浦は人生の真理に目覚めるわけだから」
そういう本人が 今、
どんな人生の真理に目覚めているのかはしらないが、
宮野はてんから悪びれるところがない。
ーー☆
「あんなの持っててまずいじゃないですか。
それから、誰ですか、その人?」
井上は初対面の宮野を見て 慌てふためいた。
髪は金髪で耳にピアスを着けて
マカロフを所持する友人がいるとは
井上にはまだ教えていなかった。
ーー☆
物語の本筋・・サスペンスの醍醐味は
是非、本をお読みくださいな〜。
宮野刑事の人物像が覗かれているところだけ
抜粋してあります。
想像をたくましくしてください。
| 『越境捜査』 | 2008-09-06 | comments:2 | TOP↑




(='m') ウププ 奇妙な居候役の寺島さん、
想像しちゃうわ〜 料理好きとは書いてあったから
寺島さんの料理シーンは出てきますね^^
恭兵さんと差し向かいでご飯を食べる様子を想像すると
笑えますね〜^^ もうすぐですね、たのしみ^^
| 雛姫 | 2008/09/06 21:06 | URL |